【読書LOG】友情〜平尾誠二・山中伸弥「人生は理不尽だ、楕円形のボールの行方のように」

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「ラグビー」というスポーツにはなぜか惹かれます。

走る、投げる、蹴る、ぶつかる、飛ぶ・・・荒っぽい格闘ともいえる様々な動作をしながら、15人の鍛え抜かれた選手たちがスクラムを組み、それぞれが役割を全うし、1つのボールをつないで、つないで・・・ゴールポストを目指します。

試合が終われば「ノーサイド」。

敵味方なくフェアプレーを称え合うという「紳士」のスポーツ。

まるでドラマの主人公そのままの男、平尾誠二

今から33年前のテレビドラマ「スクールウォーズ」。

その中で、高校ラグビー界では全く無名の位置から7年間で全国制覇を成し遂げたのが「伏見工業高校」でした。その優勝メンバーの一人が平尾誠二氏です。

「実際の彼の人生も、リアルにドラマの主人公(ヒーロー)そのまま」

IPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授も学生時代ラグビーをしていたというのは初めて知りました。以前から平尾氏のファンだったそうで、2010年、週刊現代の対談がきっかけで二人の深い交友が始まります。

前半は平尾氏がガンと宣告されてから死までの山中氏目線での1年間、中盤は平尾氏の妻・恵子さんの目線での1年間、後半は、病気になる前の二人の対談という構成です。

「世の中は、予測不可能な理不尽なものだ」

「先生、気にせんといてください。僕は自業自得ですから。」

「平尾さん、そうではありません。病気は人を選びません。」

不屈の魂を持つ平尾誠治、再生医療の第一人者山中伸弥、二人のスクラムを持ってしても倒せなかったガンという病・・・当初は「3ヶ月も持たない」と言われた病との戦いはおそらく「壮絶」だったと思います。

しかしいつも「しゃああらへんわね」と笑い、「理不尽」に嘆かない・・・

平尾氏の強い精神力、そして山中教授の「どうしても治してみせる」というプライド、おそらく数々の小さな奇跡が起こったのであろうことが伺えました。

平尾氏はその著書「理不尽に勝つ」の中で、こう言っています。

ラグビーボールが楕円形なのは、世の中というものが予測不可能で「理不尽」なものだから。

その現実を受け入れ、その中に面白みや希望を見出し、困難な状況を克服することの大切さ、素晴らしさを教えるためではないだろうか。

人間の知恵と技術革新、そして「倫理観」

二人の生前の対談では、IPS細胞の使われ方についても話題となりました。

「例えば10年寿命を伸ばすとか、そういったものができたとしても果たして人類にとって良いかわかりません。それよりも、本来は元気で当然なのに突然事故等で何もできなくなる人がたくさんいます。」

要するに、ゼロをプラスにするのに使われるのではなく、マイナスをゼロに再生するほうに使われるようにしたい・・・山中氏はそういう思いでIPS細胞を作ったと言います。

それに対し、平尾氏はこう答えています。

「技術が進歩していくのは素晴らしい、けれど暴走したら怖い。」

そのために必要なのが人間の「倫理観」とは「これは許されるけど、こういうのは許されない」ということをしっかりと持つということが本当の人間力なのでしょう。

生前の、病が判明する前の二人の会話。とても意味のあるものだったと思います。

「人生は、ラグビーボールと同じ。

楕円形のボールは、どこに転がって行くかわからない。

しょうがないやないか。」 

そして、「ノーサイド」。

妻・恵子さんの章では号泣・・・・。

平尾さんが、どんな状況でも人に優しく、かっこよすぎます。

父もガンでなくなっているため、ご家族の思いが重なり・・・涙無くしては読めませんでした。

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